#55 「過負荷の原則」〜効果的なトレーニングのために〜

トレーニングの考え方や方法論は実に様々で、唯一無二の絶対的なものは存在しないと考えてよいでしょう。
当ジムとしてもご指導させていただくにあたり、ベースとなるトレーニングに対する考え方、またその考え方に基づいた方法などはありますし、このブログでもご紹介していますが、その考え方や方法だけが正解だとは思っていませんし(もちろん、現在ジムでご指導させていただいている内容に関しては、きっちりと根拠を説明できるだけのものを提供しているつもりです)、様々な考え方や指導法、方法論があっていいと思っています。

しかし、体力の向上というトレーニング本来の目的を達成するためには、どのような方法であれ、押さえておくべきルールが存在します。
それが「トレーニングの原則」と呼ばれるものです。

 

トレーニングの原則

トレーニングとは?

「トレーニングの原則」とは、トレーニングを行なっていく上で、きちんと効果を出すために守るべきガイドラインやルールのようなもの。
元々は1950年代に旧ソビエトや東ドイツがスポーツ競技力向上を目的に行なっていた生理学や運動学、解剖学、心理学などの研究成果により体系化したものだと言われています。

トレーニングの原則は、いくつかの原則から成ります。
この原則の具体的な数もだいたい3〜7つくらいだったり、「原理」と「原則」に分けて解説されていたりと文献によって様々ですが、私が学生の時には9つの原則として教わりました。

先述のように、トレーニングの考え方やその方法は様々で、正解は決して1つではないと思います。
しかし、少なくとも効果・結果の出ているトレーニングに関しては、やっている本人がそれを意識している・していないはさておき、この「トレーニングの原則」にある程度従ったやり方になっているはずです。
現在、体力向上を目的にトレーニングを実践しているという方も、自身のトレーニングを振り返ってみて、これらのルールやガイドラインに則っているかで、効果的なトレーニングが実践できているか否かを判断していただければと思います。
この記事の中で全てを挙げて解説していくのは時間もかかるので、書けたものから1つずつご紹介していく予定です。

 

過負荷の原則

過負荷の原則

さて、記事タイトルにもありますように、1つめにご紹介するのは「過負荷(かふか)の原則」。
「オーバーロード(overload)の原則」とも呼ばれます。

この原則は「体力を向上させるためには、日常的にかかっている水準以上の負荷が必要」という意味です。

人間の身体というのは、その負荷に見合った反応(適応)をします。
歩いたり、階段を上がったり、お茶碗を持ったり…と、日常生活の中でも身体には負荷がかかっています。
当然、歩行や階段昇降では主に下半身の筋肉が、茶碗を持っている時には腕の筋肉が使われているはずですが、それで脚や腕の筋肉がついたりはしないでしょう。
あくまでこれらは日常生活の中で普段からかかっている程度の負荷だからです。

今よりも体力や筋肉をつけたければ、それ以上の強度の負荷(過負荷)を身体に与える必要があるわけです。
多くの人にとってそれは「きつい」と感じるレベルの強度になるでしょう。
ただ、何でもかんでも負荷を上げればいいというものではもちろんありません。
やみくもに上げていけば傷害リスクも増大します。
いかに安全に(ケガなく)効率良く体力を向上させていくか。
このあたりは、他の原則の遵守やエクササイズテクニックの問題も関連してくる部分です。

「日常的にかかっている水準以上の負荷が必要」、このことはトレーニングをすでに実践している人にも当てはまります。
トレーニングを始めて、体力や筋力が向上したとしても、さらなる向上を望むのであれば、やはりそれ以上の負荷が必要です。
トレーニングの現場で多いのが、トレーニングを始めた頃の負荷のままずっと続けているという方。
具体例を挙げると、トレーニング開始初期の頃は「30kg×10回×3セット」がきつく、こなすのがやっとだったとします。
数ヶ月経ってかなり楽にできるようになったにも関わらず、そのまま30kgで10回を3セットやっているというようなパターン。
まあ「身体を動かしてストレス発散したい」「終わった後に美味しくビールが飲みたい」といった目的であればもちろんそれも全然アリですが…。
体力向上を目指すのであれば、重量を35kgにする・回数を12回にしてみる・セット数を増やしてみるなど、何らかの形で身体に過負荷を与えていく必要があります(筋力向上が目的なら重量を挙げていくのが基本です)。

また、これ以上の大きな向上は望まず、維持が目標という方もいらっしゃるかもしれませんが、現状維持を目指すにしてもトレーニング内容には変化をつけていくべきでしょう。
そのあたりは、また別の記事で解説できればと思います。

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宇都宮市のパーソナルトレーニングジム
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◆編集後記

J2リーグは今週末が最終節。
地元栃木SCはJ3降格圏の21位ですが、残留の行方は果たして…。