#48 バーベルは上級者向けか?

バーベル

バーベルのイメージ

当ジムではバーベルやダンベルを使ったフリーウエイトでの筋トレを中心に指導しています。
「ジムにはマシンがないんだから当然だろ!」と言われてしまえばそれまでなのですが、仮にフリーウエイトだけでなくマシンも揃っていたとしても、基本的にはフリーウエイトエクササイズを中心にプログラムを構成していくでしょう。

もちろん、フォームの習得に時間を要する種目や、自体重のみでも十分過負荷になるような筋力レベルの人に対して、初めからいきなり重いバーベルを持たせる事は無いですが、筋力や体力向上のためにはトレーニング強度(負荷)を上げていく必要があり、フリーウエイトでの筋トレの場合は、その手段としてバーベルやダンベルを用いたり、それらの重量を上げていくことが基本になります。

一般のフィットネスジムでも、バーベルが置いてあるフリーウエイトエリアはガタイのいい人たちが黙々と重りを挙げていて、おそらく初心者の方からしたら入りづらい雰囲気満載なのでしょうし、バーベル自体の重量も通常のオリンピックバーであれば20kgありますが、この20kgという重さも普通に考えたら結構な重さです。

当ジムには初心者の方が使いやすい10kgバーや、細かい重量調整ができる0.5kgプレートも揃えていますが、通常のフィットネスジムにはそんな気の利いたものはありません。

ジム運営・経営者側からしたら「フリーウエイトを教えられるスタッフもいないし、安易に使ってケガをされても困る。そんなものをわざわざ買って置く必要もない」という考えなのかもしれません。
仕方のないことではありますが、多くのフィットネスクラブのフリーウエイト環境というのは初心者に対してあまり優しくないというのが現状です。

そのような理由から、特に筋トレに馴染みのない方や初心者の方にとってバーベルは「上級者が使うちょっとおっかない器具」というイメージなのだと思います。

 

マシンかバーベルか

マシンによるトレーニング

では実際に「マシンは初心者向け、バーベルは上級者向け」なのかというと、もちろんそんなことはありません。

たしかに、フォームの習得はマシンの方が格段に容易です。
基本的にマシンは座位・あるいは寝た状態でトレーニングします。
また、動かす軌道も決まっているので、バランスを取ったり、フラフラしないよう負荷をコントロールする労力もバーベルやダンベルほど必要ではありません。

しかし、これは逆に「動作コントロールが容易な分、安易に負荷を上げやすい」とも言えます。
「負荷を上げる=ケガをする」ではありませんが、フォームが未熟なうちにどんどん負荷を上げてしまっては、そのリスクも上がるでしょう。
このような理由から、「マシンはむしろ上級者向けだ」という考え方もあるくらいです。

そもそも、マシンがなかった時代にはバーベルやダンベルくらいしかなかったわけで、初心者も上級者もフリーウエイトでトレーニングしていたはずです。
トレーニングをライフワークの1つにし、健康な身体・体力を維持するという長期的な視点で考えれば、まずはフリーウエイトでバランスを取りながら、負荷(重り)をコントロールする身体の使い方をじっくり身に付けることが優先と言えるのかもしれません。

もちろん、だからと言って私自身は「初心者の方は全員まずフリーウエイトで始めるべきだ」とも思っていません。
マシンにはマシンの、バーベルにはバーベルのメリット・デメリットがそれぞれありますし、何よりも施設や教えてくれるトレーナーがいるかどうかといったトレーニング環境の問題も当然あるからです。

マシンと比較しての、バーベル(フリーウエイト)トレーニングのメリットは何といっても「効率の良さ」。
ベーシック種目・基本種目と呼ばれるようなエクササイズは、その種目1つで多くの筋肉がその運動に関与します。
また、種目・フォームによっては、筋力だけでなく、柔軟性向上に対しても効率良くアプローチすることが可能です。
バーベルやダンベルを使ったフリーウエイト種目を数種、うまく組み合わせて実施すれば、大きな筋肉から小さな筋肉まで、そして筋肉のみならず骨や腱、靱帯といった身体の様々な組織までしっかりと鍛えることができます。

 

状況に対してベストな選択を

一方で、多彩な方向に負荷をかけられるマシンだからこそ鍛えやすい筋肉や動作もあります。
鍛えたい筋肉だけをピンポイントで刺激することが出来るマシンは、筋肉を部位ごとにくまなく鍛える必要性がより高いボディビルダーやボディメイク系競技者にとっては重宝するはずです。

しかし、特に筋トレ初心者の方であれば、全身をバランス良く強化することをせずに、あえて特定の部位だけを優先して鍛える必要性もないでしょうし、多くの人はボディビルダーやトレーニング愛好家のように、週に5回も6回もジムに通うなんてことは現実的に難しいでしょう。

当ジムのクライアントもトレーニング頻度は基本週に1回、多くても2回です。
限られた時間の中でできるだけ体力を向上させて身体を強くし、目的を達成したい。
そう考えたときには、やはり基礎である筋力や柔軟性を効率良く強化できる筋トレ、さらにはマシンよりもフリーウエイトがベストな選択です。
そして、パーソナルトレーニングであれば、フォーム習得の難しさ等のデメリット(?)の部分もカバーすることができます。

そもそも「トレーニング上級者」の定義もはっきりしません。
例えば、トレーニング歴が長い人、筋肉のある人が上級者かというと必ずしもそうとは言えないでしょう。

重要なのは自分の身体の特徴や既往歴、使える器具などの施設環境、トレーニングに使える日数や時間等、自分の置かれた状況をしっかり考えた上でベストな選択をすること、そしてそれを地道にコツコツ継続すること。
こういうことがある程度自分で出来る人を「トレーニング上級者」というのだと思います。

記事タイトルの答えになっているのかよく分からない雑感ブログみたいになってしまいましたが、トレーニングに全く関係のない、とある友人との会話から、今回は思いついたままに考えを書いてみました。

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宇都宮市のパーソナルトレーニングジム
トレーニングハウス
「ERSTRE(エアストレ)」
代表 工藤 駿(プロフィール)
TEL 028-348-3870
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◆編集後記

早いものでもう10月。
去年の10月はちょうどジム内に器材を搬入したり、必要なものを買いに行ったり備品を取り付けたりしている時期でした。
仕事をしながらだったのでかなり忙しかったですが、少しずつ店舗内がジムっぽくなっていくのがとても嬉しかったのを覚えています。