#95 「プログラム」と「メニュー」

最近、自宅の本棚を整理していて、ふと学生時代の授業ノートが目に入ったので読み返してみました。
もう20年近く前のものになりますが、解剖学や生理学、トレーニング理論など基礎的なことが多いので、今読んでもとても役に立つものばかりです。
今回はトレーニング理論の授業で学んだタイトルにあるこの2つの言葉について考えてみたいと思います。

 

メニュー

プログラムとメニュー、どちらもトレーニング内容を指す言葉として一般的に用いられていますが、大きな違いは「計画や前後の繋がりが有るか無いか」。

メニュー(menu)という語でパッと思い浮かぶのは食事でしょうか。
バイキング形式のお店での食事を想像してみてください。

数あるメニューの中からその時食べたいものを好きなだけ、好きな順番に食べる。そんなイメージですね。
食べるものの種類や量、順番には特に理由はないでしょう。
欲求に従ってそうしたいからそうする。
そこには計画や繋がりといったものはありません。

 

プログラム

一方、プログラム(program)で思い浮かぶのが成人式や結婚式、演劇といった行事の進行計画。
こちらは今年の開催是非が話題になった成人式で考えてみましょう(上の写真は卒業式ですが…)。

自治体ごとに多少の違いはあるのでしょうが、たいていの場合は、「開会の辞→国家斉唱→式辞→祝辞→来賓紹介→新成人の誓い→閉式の辞」といった手順で進められていくと思います。

このように式や演劇のプログラムには、あらかじめ披露する項目(演目?)を決め、それをしかるべき順序で進めていくという計画があります。
演劇でいえば、前の演目の内容が次の演目に繋がってストーリーとして成り立つといったイメージです。

このようにプログラムという言葉には計画やそれに沿った順序での進行、前後の繋がり等があることを意味しています。

 

トレーニングはプログラム?メニュー?

以前のブログでも書いたように、トレーニングとは体力を向上させるために行う運動を指します。

参考記事:#3 「トレーニング」とは?

体力の向上は、例えばたった数回、思いつきの運動で起こるわけではありません。
目標(目的)設定・現状把握をし、そこから計画を立てて、ある程度の期間(中〜長期)を費やしてその目標を達成するための作業を積み重ねていく、このプロセスがトレーニングです。

「AができたからBを。BができたからCを」

「10でできたから来週は15、それができたらその次の週は20」

「目標である〇〇のためには、逆算してその前には△△、さらにその前には□□ができている必要がある」

このように「体力を向上させるための運動=トレーニング」には計画や順序、前後のつながりが存在します。
このことからも、トレーニングに関してはメニューではなく、プログラムという言葉を使うのが適切といえるでしょう。

当ジムでもトレーニング計画の立案、それをどのように実施していけば、スムーズに目的達成に繋がるか。
ここはとても大事にしている部分です。
とはいえ、クライアントの体力レベルや既往歴、身体の反応は実に様々。
全員が全員、計画通りに行くことはありません。
多くのクライアントに対応できるよう、引き出しを増やしていきたいですね。

 
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宇都宮市のパーソナルトレーニングジム
トレーニングハウス
「ERSTRE(エアストレ)」
代表 工藤 駿(プロフィール)
TEL 028-348-3870
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◆編集後記

学生時代の授業に、筋肉や骨など身体部位を英語で覚えたり、トレーニングに関する英文や論文を訳す英語の授業があったのですが、今となってはこれがとても役立っています。