#92 トレーニング開始初期に気をつけている点

当ジムを立ち上げてもうすぐ2年。
ありがたいことに、多くの指導機会に恵まれています。
クライアントにはトレーニング経験の有無に限らず、筋トレを行うにあたり基本となる知識や身体の使い方を一から丁寧にお教えしています。
特にトレーニングを開始して間もない時期は、身体も慣れていないので(トレーニング未経験であればなおさら)、強度は低く、動きも簡単なものから実施していきますが、こういった当たり前の事以外にも気にしておくべき細かいことが意外とたくさんあります。
今回はそれらをいくつか挙げてみました。

握力

握力の問題に関しては、以前ブログでも書きました。

参考記事:バーを保持する握力問題

上の記事はトレーニングに慣れてきて使用重量がアップしてきたときに対象筋ではなくバーを握っている前腕の筋肉が先に疲労してしまう握力の問題について書いたものですが、この問題は扱う重量が軽いトレーニング初期にも起こりうることです。

特にトレーニング未経験の方にとっては、重量が軽いとはいえバーやダンベルなどをある程度の時間握り続けるということは日常ではまず無いことですので、予想以上に前腕が疲労してしまっていることがあります。
また、握る動作への慣れの問題だけでなく、対象となる動作や部位よりも重量を保持している末端(腕や手)へ意識がいってしまっている場合もあるでしょう。まあこのあたりは、意識を対象動作や筋肉に集中してもらうためにどういう声かけをするかという指導者側の問題もありそうですが…

この問題に対しては、反復回数(レップ数)を少なくして前腕が疲労する前にセットを終えたり、プル系や重量を手で保持する種目を連続して行わないよう種目の配列(実施順序)を工夫したり、場合によってはパワーグリップやストラップなどの補助グッズを使用するなどして対応しています。

 

呼吸

エクササイズ中の呼吸に関しては、クライアントからもよくご質問を受ける項目の1つです。
呼吸をどのように行うかは厳密には個人(の既往歴)や実施種目・目的などによって変わってくるものの、フリーウエイトにおけるベーシックエクササイズの場合は「動作開始前に大きく吸って止める→動作中は止めたまま→動作が完了した時点で吐く」。これを1回(1レップ)ごとに行うのが基本になります。
いわゆる「バルサルバ法」ですね。
必要なタイミングで呼吸を止め、姿勢を安定させることは、正しいフォームでの実施を助けます。
特に普段筋トレをしていない一般の方には、「動作中に呼吸を止めるのは危険」というイメージがあるようですが、筋トレ動作中、例えば上体の前傾といった物理的に腰に負荷のかかるポジションで息を吐く方がよほど危険でしょう。
下の動画のようなエクササイズも動作開始前にしっかりと息を吸い込んで止めておくからこそ、背中をまっすぐに保つことができるのです。

筋トレにおける安全で適切な身体の使い方というのは、エクササイズ中にどこをどう動かすかということだけではなく、呼吸やバーの持ち方・担ぎ方、もっと言うとプレート脱着時やダンベルをラックに戻す時の姿勢など、トレーニングルームでの動作全てにおいて考えるべきことだと思います。
もちろんいきなり高重量を扱うわけではないので、呼吸が正しく出来ていなくても大きくフォームが崩れることはないかもしれませんが、使用重量が軽い初めのうちから正しい呼吸の仕方を練習しておくに越したことはありません。

 

レップ数

各エクササイズのフォームにしても呼吸の仕方にしても、初めのうちはとにかく”正しい動きで”何度も反復する必要があるので、一般的には1セットあたりのレップ数(反復回数)を多めにして練習量を増やすのが主流ですが、ここで注意しなければならないのは「セットの後半は心拍数が上がってフォームが崩れやすい」という点。
特に筋トレ未経験の方は、たとえ重量が軽くてもレップ数が多いこと自体がかなり負担になる方が大半です。
もちろん、1セットあたりのレップ数を多くすることにより得られる刺激も筋量UPには重要なものですが、そういった負荷をかけるのもあくまで正しいフォームがきちんと身についてからです。
ただレップ数を減らしてしまった場合、練習量としては少なくなってしまうので、その分セット数を増やして総レップ数が多くなるようにしています。
極端な比較ですが、20回×1セットよりも5回×4セットの方が、総レップ数は同じでもより質の高い練習になるでしょう。

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宇都宮市のパーソナルトレーニングジム
トレーニングハウス
「ERSTRE(エアストレ)」
代表 工藤 駿(プロフィール)
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◆編集後記

愛車の総走行距離が16万kmを突破。
まだまだ元気に走ってくれています。