#19 トレーニングと傷害予防 Part2

前回に続き、トレーニングと傷害予防について。
今回は筋トレが傷害予防につながる理由について考えてみました。

トレーニングと傷害予防

関節周りの組織

筋トレは筋肉や腱、骨や靱帯といった関節を構成する組織を強化します。
これらは運動器と呼ばれ、ケガや故障の多くはこの運動器の損傷によるものです。
筋トレは文字通り、筋力を発揮するエンジンである筋肉に負荷をかける運動ですが、負荷がかかるのは筋肉だけではありません。
分かりやすいのは骨でしょうか。
肩にバーベルを担ぐだけでもズシッとした荷重感覚を背骨や脚の骨に感じられるかと思います。
この荷重負荷が骨の成長を促すのに有効な刺激とされています。
また、腱や靱帯も筋トレのような物理的負荷に適応して、これらの主成分であるコラーゲン線維が増加することでより強固になることが分かっています。

ちょっと極端な例ですが、「2階から飛び降りて着地する」という場面で考えてみましょう。
2階の高さから着地する際には、当然かなりの負荷が身体にかかります。
人によっては骨折や靱帯損傷、最悪の場合は死に至るでしょう。
しかし、その衝撃を吸収したり耐えられるだけの筋力や骨・腱・靱帯の強さがあれば、軽傷・あるいはもしかしたらケガをせずに済むかもしれません。
やはり身体自体は強いに越したことはないのです。

 

身体の使い方

スポーツ時の傷害予防において大事になってくるのが身体の使い方。
どんなに身体が強くても、そのスポーツでの走り方や跳び方、着地の仕方等に問題があれば、いずれはケガや故障となって出てくる可能性も高いです。
当然、正しい跳び方や着地の仕方をマスターするのが大事になってくるわけですが、まずはその正しい動きに必要な部位の筋力や柔軟性を筋トレで高めることが先決。
ターゲットとなる筋肉を可動域を大きく、できるだけ関節に負担のないフォームで丁寧に鍛える。
そのようにして筋力や柔軟性を強化した結果、スポーツ時にも関節に負担の少ない身体の使い方ができる癖が身に付くのです。
少し分かりづらい文章になってしまったかもしれませんが、「ケガをしにくい身体の使い方の土台」を筋トレで作るこということですね。

 

筋力UP = 傷害リスクUP?

適切にトレーニングを継続していけば筋力は向上します。
そして筋力の向上とともにトレーニングで使用する重量も上がっていきます。
ここで気をつけなければならないのが、その筋トレによるケガや故障。
例えば筋力が向上して50kgしか持てなかったものが100kgになったとします。
それはそれで良いことなのですが、当然関節にかかる物理的な負荷も大きくなります。
もちろん、適切なフォームやトレーニング量が守られていれば問題ないですが、重量が持てるようになってくるとついフォームがおろそかになり、より重い重量を挙げること自体が目的になってしまいがち。
トレーナーとしてはお恥ずかしい話ですが、私自身もフォームより重量を優先にしてトレーニングを続けた結果、関節を痛めてしまったという経験をしています…。

目的はあくまで“健康的に”筋力を向上させること。
健康になるための筋トレで、健康を害してしまっては本末転倒です。
クライアントの指導も自身のトレーニングもそのことを常に意識しながら指導・実践していきたいと思います。

 
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宇都宮市のパーソナルトレーニングジム
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代表 工藤 駿(プロフィール)
TEL 028-348-3870
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◆編集後記

実家(埼玉県)で去年4月から飼っている猫がどんどん大きくなっています。

聞けば「よく動いて、よく食べて、よく寝てる」と。
身体作りの基本を押さえてますね(笑) 見習わなければ…